今回は「Swagger UI の使い方」についてまとめます。
Swagger UI とは
Swagger UI とは「OpenAPI Specificatioinに従って記述されたAPI仕様書をWebページ上で見やすく表示するツール」です。 Swagger Editor, Codegen とともによく使われるツールになります。
Swagger UI は単純なWebアプリなので仕組みさえわかれば使い方は簡単です。
基本的な使い方
Swagger UI はHTML+JavaScriptで作られた単純なSPA(Single Page Application)です。 そのため、使い方は必要なソースコード(HTML + JavaScript など)を Webサーバー 上に静的コンテンツとして展開できれば利用ができます。
以下では「必要なソースコードのダウンロード」と「ソースコードの展開先」について順に説明します。 実際の「使い方」はこれらの組み合わせになるので何パターンかやり方はあると思います。
ソースコードの取得方法
必要となるものは GitHub ( swagger-api / swagger-ui )上に展開されている dist 以下に存在するファイル群です。 その取得方法は以下の2通りがあります。
-
GitHub 上のソースコードを直接ダウンロード
-
npm からダウンロード
1npm install swagger-ui-dist
ソースコードの展開先
いわゆる一般的なWebサーバーに展開します。 展開先はWebサーバーであればどこでも良いので以下のようなものが考えられます。 もちろん、Docker上に存在するWebサーバーでもOKです。
- IIS
- NGINX
- Apache httpd
- Node.js
Node.js + Express サーバー上に展開
今回は npm でソースコードを取得し、Node.js + Express 上に静的コンテンツとして展開する方法で環境構築してみます。 やや実装が入るので少し面倒ですが… Swagger UI の基本的な動作が理解できます。
サーバーの実装
まずはサーバー側の実装を行っていきます。 …といっても静的コンテンツとして展開するだけなので、特に難しい実装はありません。 単純に右から左へ転送するサーバーを作るだけです。
-
プロジェクト作成
以下のコマンドを実行して
package.json
を作成します。1npm init
-
package.json を修正
script にある不要なテストコマンドを削除し、起動用コマンドを追加します。
/package.json
123456...(省略)...
"scripts"
: {
// "test": "echo \"Error: no test specified\" && exit 1" // ←削除
"start"
:
"node index.js"
// ←追加
},
...(省略)...
-
必要なモジュールを追加
必要となる
express
、swagger-ui-dist
を追加します。1npm install express swagger-ui-dist
-
サーバーサイド実装
index.jsにメインの処理を記述します。 /specフォルダを追加しているのは、この後このフォルダに展開したい OpenAPI Specification を配置するためです。
/index.js
1234567var
{ absolutePath } = require(
"swagger-ui-dist"
);
var
express = require(
"express"
);
var
app = express();
app.use(express.static(absolutePath()));
app.listen(3000);
サーバーの起動
サーバー起動は package.json
にスクリプト追加しているのでプロンプト起動して npm start
だけです。
-
サーバー起動
新しくコマンドプロンプトを起動して以下のコマンドを実行します。
1npm start
動作確認
サーバー起動すると localhost:3000
で待ち受けているので適当なブラウザでアクセスします。
正しく準備できていれば以下のようなSinglePageApplication画面が表示されます。
初期表示のカスタマイズ
デフォルトのままだと "Petstore API" が表示されます。 ヘッダーに仕様書へのURLを記述して「Explore」を行えばもちろん任意の仕様書を表示できますが… 通常利用で考えると「自分の記述しているAPI仕様書」をいきなり表示してほしいものです。
以下では「自分が記述しているAPI仕様書」をいきなり表示できるようなカスタマイズを行っていきます。
冒頭にも記載しましたが、Swagger UI は SPA(Single Page Application) ですので swagger-ui-dist
以下に存在する index.html
を直接編集することでカスタマイズを行っていきます。
自身のAPI仕様を表示
SwaggerUIBundle
に渡されるオプション url
を書き換えることで初期表示を切り替えることができます。
ただし、自身が記述しているAPI仕様書もWeb上で公開する必要があるので、こちらもあわせて行います。
今回は /spec
フォルダを作成し、このフォルダ以下に openapi.yaml
を配置、これを初期表示できるようにします。
-
サーバーサイド実装の修正
index.js
に/spec
以下に配置された静的コンテンツ配信を行うコードを追記します。/index.js
123456789var
path =require(
"path"
);
var
{ absolutePath } = require(
"swagger-ui-dist"
);
var
express = require(
"express"
);
var
app = express();
app.use(
"/spec"
, express.static(path.join(__dirname,
"./spec"
)));
app.use(express.static(absolutePath()));
app.listen(3000);
-
OpenAPI Specification を配置
表示したいOpenAPI Specificationファイルを以下のフォルダへ配置します。
123/ROOT
└ /spec
└ openapi.yaml ←表示させたいOpenAPI Specification
-
初期表示設定の修正
swagger-ui-dist
のindex.html
に記述されている初期表示設定を自身のAPI仕様書が表示されるよう修正します。 修正箇所は url パラメータの値部分になります。/node_modules/swagger-ui-dist/index.html
123456789101112131415161718192021222324...(省略)...
<script>
window.onload =
function
() {
// Begin Swagger UI call region
const ui = SwaggerUIBundle({
// url: "https://petstore.swagger.io/v2/swagger.json", // ←削除
url:
"/spec/openapi.yaml"
,
// ←追加
dom_id:
'#swagger-ui'
,
deepLinking:
true
,
presets: [
SwaggerUIBundle.presets.apis,
SwaggerUIStandalonePreset
],
plugins: [
SwaggerUIBundle.plugins.DownloadUrl
],
layout:
"StandaloneLayout"
})
// End Swagger UI call region
window.ui = ui
}
</script>
...(省略)...
ここまで実装したらサーバーを起動してみます。 問題なければ以下のように初期表示されるはずです。
ヘッダーを非表示
ここまでくると、ヘッダーが不要なことに気づきます… CSSを編集してヘッダーが表示されないように修正します。
-
ヘッダー非表示になるよう修正
swagger-ui-dist
のindex.html
にヘッダー(.topbar
)が非表示にされるようなCSSを追記します。/node_modules/swagger-ui-dist/index.html
1234567891011121314151617181920212223242526272829303132333435<!-- HTML for static distribution bundle build -->
<!DOCTYPE html>
<
html
lang
=
"en"
>
<
head
>
...(省略)...
<
style
>
html
{
box-sizing: border-box;
overflow: -moz-scrollbars-vertical;
overflow-y: scroll;
}
*,
*:before,
*:after
{
box-sizing: inherit;
}
body
{
margin:0;
background: #fafafa;
}
.topbar
{
display: none;
}
</
style
>
...(省略)...
ここまで実装したら再度サーバーを起動してみます。 問題なければ以下のように初期表示されるはずです。
(おまけ)最終的な構成
作成完了した際のフォルダ/ファイルは以下のようになっています。 追加、修正したのはハイライト部分です。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 | /ROOT │ index.js │ package.json │ ├─node_modules │ │ │ │ │ ...(省略)... │ │ │ ├─swagger-ui-dist │ │ absolute-path.js │ │ favicon-16x16.png │ │ favicon-32x32.png │ │ index.html │ │ index.js │ │ oauth2-redirect.html │ │ package.json │ │ README.md │ │ swagger-ui-bundle.js │ │ swagger-ui-bundle.js.map │ │ swagger-ui-standalone-preset.js │ │ swagger-ui-standalone-preset.js.map │ │ swagger-ui.css │ │ swagger-ui.css.map │ │ swagger-ui.js │ │ swagger-ui.js.map │ │ │ ...(省略)... │ │ └─spec openapi.yaml |
- /index.js
-
123456789
var
path =require(
"path"
);
var
{ absolutePath } = require(
"swagger-ui-dist"
);
var
express = require(
"express"
);
var
app = express();
app.use(
"/spec"
, express.static(path.join(__dirname,
"./spec"
)));
app.use(express.static(absolutePath()));
app.listen(3000);
- /package.json
-
123456789101112131415
{
"name"
:
"sample"
,
"version"
:
"1.0.0"
,
"description"
:
""
,
"main"
:
"index.js"
,
"scripts"
: {
"start"
:
"node index.js"
},
"author"
:
""
,
"license"
:
"MIT"
,
"dependencies"
: {
"express"
:
"^4.17.1"
,
"swagger-ui-dist"
:
"^3.25.1"
}
}
- /node_modules/swagger-ui-dist/index.html
-
123456789101112131415161718192021222324252627282930313233343536373839404142434445464748495051525354555657585960
<!-- HTML for static distribution bundle build -->
<!DOCTYPE html>
<
html
lang
=
"en"
>
...(省略)...
<
style
>
html
{
box-sizing: border-box;
overflow: -moz-scrollbars-vertical;
overflow-y: scroll;
}
*,
*:before,
*:after
{
box-sizing: inherit;
}
body
{
margin:0;
background: #fafafa;
}
.topbar
{
display: none;
}
</
style
>
...(省略)...
<script>
window.onload =
function
() {
// Begin Swagger UI call region
const ui = SwaggerUIBundle({
url:
"/spec/openapi.yaml"
,
dom_id:
'#swagger-ui'
,
deepLinking:
true
,
presets: [
SwaggerUIBundle.presets.apis,
SwaggerUIStandalonePreset
],
plugins: [
SwaggerUIBundle.plugins.DownloadUrl
],
layout:
"StandaloneLayout"
})
// End Swagger UI call region
window.ui = ui
}
</script>
...(省略)...
</
html
>
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